2018年 12月 27日
IWCを脱退を考える |
日本がIWCを脱退するという。これでクジラ肉を食べられるようになるのか?どうもそうではないらしい。IWCを抜けて南極海などの調査捕鯨から撤退し、近海の排他的経済水域での商業捕鯨をするのだそうだ。しかしIWCを脱退してもクジラが国連海洋法条約で管理が義務付けられていることには変わりはない。
IWCによる捕獲枠に配慮した中で、近海だけで操業することになる。一般に日本のクジラ食文化を外国から攻撃されているというイメージが強いが、IWCは元々「クジラの持続的な利用と保護」を目的に作られた団体だ。決してクジラを食べること自体を否定してわけではない。一部の動物保護団体のイメージを利用して他国の理解が得られない宣伝してきたのは、日本の政府とそれに乗せられた日本のマスコミだと言える。
各種のクジラが保護すべきなのか、利用に値する数がいるのかはIWCの科学委員会で長年議論してきた問題だ。その議論の結果1982年に国際モラトリアム「一時停止」が決定され、日本も1988年から商業捕鯨から撤退したのである。別にイルカが好きな西洋人が反対してからではない。
その後も日本は調査捕鯨と称して捕鯨活動を続けてきた。日本政府は調査捕鯨しないとクジラの実態はつかめないと主張してきたが、捕獲しなくてもクジラの調査はできると他の加盟国からモラトリアム破りの非難を受け続けてきた。実際鯨肉の確保して鯨食習慣を守りたかったことは否めないだろう。調査捕鯨の肉のほかにも非加盟国からも日本に流れてきているといわれている。
IWCの中でも今回日本が選択したような近海の操業を認める方向も議論され、認められそうな機運もあったようだ。日本はサンマやマグロをはじめ様々な水産資源について資源管理の国際協調を呼びかけていく立場にある。今回のIWC脱退はそれに水をかける行動だと言わざるをを得ない。
「アメリカファースト」など自国の主張だけを押し付ける方法ではいずれ破綻するのは目に見えている。やはり国際社会の中で粘り強く交渉して、自国の立場他国の立場を認め合うことでしか未来は開けないと思う。
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by furisu21
| 2018-12-27 15:56
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