2012年 09月 30日
収穫の秋近し、種なし果物を考える |
秋も近くなり、八百屋の店先には様々な果物が増えてきました。デラウェアや巨峰などのブドウ、シナノレッドに津軽のりんご、種なし柿、富有柿、そして温州ミカンと店先を賑わしてくれます。いっきに食べる楽しみが増え実りの秋に突入し、体重の方の心配をしなければならなくなります。
最近の果物は以前に比べて種のない果物が増えているようです。ふと種が無いのにどうやって作るのと不思議に思いますが、樹に成る果物の多くは、種から育てられた台木に接ぎ木することで増やすのが普通です。だから種のない品種も市場を支配するほど増やすことも可能なのです。
特に粒は小さくても種があるのが当たり前だったブドウに、種のないものが増えてきました。ブドウを種なしにするためには、植物ホルモンを与えてブドウの樹をだまします。植物ホルモンにはジベレリン、サイトカニンなどがあります。人工のホルモンの力で受粉したと勘違いさせ、種なし柿のような単為結実を人工的に起こさせます。
デラウェアのような小さいブドウでは確かに種を取るのはたいへんですが、最近は巨峰やピオーネのような大きなブドウも、ホルモン処理したしたものが出てきました。これらの植物ホルモンは、人間や動物にはホルモン作用はないとされていますが、科学的に製造されたものであり、なるべくなら使ってほしくない気がします。
しかしデラウェアについては、実がつきやすく栽培が安定するなどの理由で、種ありで作る方は非常に少なくなりました。そのためふりすも、デラウェアは種あり種なし両方とも受け入れています。種なしブドウの方が市場には早く出てくるようですが、種のあるブドウの種の周囲が一番おいしくなるようで、種なしブドウはやや味も薄くなるように思います。
これに対して柿や温州ミカンは、単為結実性で受粉しなくても実がなります。受粉しても途中で種の発育が止まってしまいます。刀根柿や平核柿は種がありませんが、富有柿などは単為結実力が弱いので時々種が入っています。これらは品種の性質なので人工的な薬は使っていません。
バナナも本来は種があったようです。野生種のバナナは種で子孫を作っていく種もあります。栽培されているバナナは突然変異で染色体が3倍体になって、種ができなくなった品種を株分けして増やしていったようです。種無しスイカはこの原理を利用して、コルヒチンという薬剤で染色体を倍に増やし、子どもを3倍体にして種無しスイカを作ります。
有機農産物はこういった種なしの果物にするための薬品処理も認めていません。遺伝子組み換えもそうですが、人間の都合による性急な生物への干渉は、利便性をもたらすと共に、時にしっぺ返しを伴う事があります。BSE(狂牛病)もその一例だと思います。
農業は自然に働きかける仕事ですが、それだけに自然とじっくり向き合うことが大切なのだろうと種のあるブドウを味わいながら感じています。
最近の果物は以前に比べて種のない果物が増えているようです。ふと種が無いのにどうやって作るのと不思議に思いますが、樹に成る果物の多くは、種から育てられた台木に接ぎ木することで増やすのが普通です。だから種のない品種も市場を支配するほど増やすことも可能なのです。
特に粒は小さくても種があるのが当たり前だったブドウに、種のないものが増えてきました。ブドウを種なしにするためには、植物ホルモンを与えてブドウの樹をだまします。植物ホルモンにはジベレリン、サイトカニンなどがあります。人工のホルモンの力で受粉したと勘違いさせ、種なし柿のような単為結実を人工的に起こさせます。
デラウェアのような小さいブドウでは確かに種を取るのはたいへんですが、最近は巨峰やピオーネのような大きなブドウも、ホルモン処理したしたものが出てきました。これらの植物ホルモンは、人間や動物にはホルモン作用はないとされていますが、科学的に製造されたものであり、なるべくなら使ってほしくない気がします。
しかしデラウェアについては、実がつきやすく栽培が安定するなどの理由で、種ありで作る方は非常に少なくなりました。そのためふりすも、デラウェアは種あり種なし両方とも受け入れています。種なしブドウの方が市場には早く出てくるようですが、種のあるブドウの種の周囲が一番おいしくなるようで、種なしブドウはやや味も薄くなるように思います。
これに対して柿や温州ミカンは、単為結実性で受粉しなくても実がなります。受粉しても途中で種の発育が止まってしまいます。刀根柿や平核柿は種がありませんが、富有柿などは単為結実力が弱いので時々種が入っています。これらは品種の性質なので人工的な薬は使っていません。
バナナも本来は種があったようです。野生種のバナナは種で子孫を作っていく種もあります。栽培されているバナナは突然変異で染色体が3倍体になって、種ができなくなった品種を株分けして増やしていったようです。種無しスイカはこの原理を利用して、コルヒチンという薬剤で染色体を倍に増やし、子どもを3倍体にして種無しスイカを作ります。
有機農産物はこういった種なしの果物にするための薬品処理も認めていません。遺伝子組み換えもそうですが、人間の都合による性急な生物への干渉は、利便性をもたらすと共に、時にしっぺ返しを伴う事があります。BSE(狂牛病)もその一例だと思います。
農業は自然に働きかける仕事ですが、それだけに自然とじっくり向き合うことが大切なのだろうと種のあるブドウを味わいながら感じています。
by furisu21
| 2012-09-30 16:31
| 食品