原発被災地から有機玉ねぎが入ってきました。
原発の事故は、安全でおいしい有機野菜を作ろうとしている有機農家をも等しく襲いました。7月のビオクラブ合同会議に参加された近藤さんは、有機農家として3年目、ようやく軌道に乗り始め、これからという時に原発事故に遭遇されました。有機農業を続けられるかどうか見通しもないまま、今被災地に踏みとどまってがんばっていらっしゃいます。
近藤さんをはじめ二本松有機農業研究会の生産者の皆さんの力に、少しでもなれないかと考え、福島産だというだけで販売が難しくなっている、二本松有機農業研究会の有機玉ねぎを、自主検査実施の上で販売させていただくことになりました。
第三者機関で検査した結果ヨウ素、セシウムとも不検出という結果を得ています。ぜひ原発被災地でがんばる福島の有機農家を応援して下さい!
福島の有機玉ねぎ1㎏ 360円です。よろしくお願いします。
原発事故の後の近藤さんのメッセージです。
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見えない敵と戦い、この地で農業者として生きたい
福島県二本松市 近藤恵
東日本大震災による福島第一原子力発電所(以下原発)の事故で、実家のある東京へ避難して一週間が過ぎた。
原発より約60キロ離れている二本松市 は避難指示地域ではなかったが、3月11日以降原発の状況が日々悪化していくなかで、最悪のケースも考えての判断だった。早く戻って農業をしたい。ただでさえ未熟な3年目の専業農家だ。
もっと飛躍したい。ジャガイモを植えたい、田んぼを耕したい、ネギの種を蒔きた い、夏人参に挑戦したい。
その気持ちを打ち消すように不安が持ち上がってくる。
作った米が、野菜が、放射性物質を吸収していたらどうしよう(程度の差はあるが植物は根から吸収する)。
そもそも自分や子供が長く生活していくことは出来るのか。
有機認証は取り消されるのか。
業者は扱ってくれるだろうか。
小さなお子さんを持つご家庭に売ってもいいものか。
当面の収入はどうするか。
集めた情報がまた不安を あおり、心を埋めつくし、時間だけが過ぎていく。
さて、今年の米はどうしよう。
作り手としては、いくら基準値をクリアしていても危険性のぬぐえない、いわば欠陥品を世に送り出したくはない。
欠陥の原因は私にないとしても、販売する責任は重い。
“疑わしきは使用せず”の精神で農薬、化学肥料を一切使用しないと標榜してきたわけだから、余 計にそのことを徹底したい気持ちもある。
単純に農薬と放射性物質を比べることはできないが、被ばくによる遺伝子欠損などが、農薬や環境ホルモン物質の害と同様に恐ろしいものであるとすれば、予防原則にのっとり最低でも1年は作付をしないことが望まれる。
消費者からしても1年は手が伸びない のが正直な気持ちだろう。とてもじゃないが、力をこめて鍬を握れない。暗い気持ちは免疫力を下げる。放射線で被ばくし、下がった免疫力の回復には復興への希望が必要だ。
米や野菜が許されなければ、花はどうだろう。
放射性物質が実に移行しないとされる菜種を栽培して搾油するのはどうだろう。
バイオエタノール・バイオガスの原料を生産し、原発に代わるクリーン発電を模索できるかもしれない。
土に関わる営みはゼロではないはずだ。今年は販売はおろか、自分で作った米さえも自分の口に入れることができないかもしれない。
上記の試みだって利益があがる保証はない。
でも、かならずこの地を豊かな農地に戻す。回復した土地で、被ばくに負けない野菜を作ろう。
一人ではできなくても、すぐにはできなくても、知恵を合わせればできるかもしれない。
欲望・科学への慢心、失望・あきらめ、そして放射能という見えない敵に背を向けず、この地で農業をしたい。
怒りや正義の主張ではなく、希望にあふれた汗を流したいのだ。